あとかたの街 4巻




昭和20年3月19日、ついにあい達の真上にも空襲がやってきます。初めの頃は航空機産業を破壊するための空襲でしたが今回の大空襲は市民を無差別に襲い掛かってきます。焼夷弾1つ落ちるだけでこれまで訓練した消火作業もまったく意味をなさず、家を焼かれ、逃げ場を失った群衆と共に焼夷弾が降り注ぐ街をあい達は駆け巡ります。

1巻から4巻の表紙の変遷を見ていくだけでも一気に日常が崩れ去ったのが分かると思います。4巻は空襲が来た1日だけでほぼ終わっています。たった1日だけのことですがあい達にとってはとても長い長い1日となったことでしょう。これまではわりとドジなあいでしたが空襲に対する怒りや妹への想いなどから強い女性へと変わっていきます。

防空壕に入ったからといって安全だったわけでもなく、むしろ中で蒸し焼きになってしまった人達も多くいたようです。少しの判断の差が生死を分けてしまい、それがゆき達を救うことにもなりますが不幸も襲い掛かります。たくさんの死を目の前で見てきたからか悲しみももちろんあると思いますが人の死に対して麻痺してしまっている感じも見受けられますね。

次の5巻が最終巻のようです。空襲で焼きだされて親戚の家に身を寄せる木村家。食料も不足しがちで空襲後別れた波多野さんから預かった鶏のクラノスケが危機に陥ります。終戦までの数ヶ月、かつてときが疎開していた岐阜に再び家族で疎開するようですがやはりそこでも安住というわけにはいかないようです。

4巻は7月下旬に発売されてましたが以前紹介した「凍りの掌」のように8月15日に合わせてみました。1巻を読んだ時も思いましたが近代史はわりと駆け足で授業も終わってしまいがちでましてや名古屋の空襲や大地震なんか教科書に載っていたかどうかもわかりません。地元の人は教わっていたかもしれませんが…こうした歴史の隅に追いやられてしまう部分は自分が知ろうとしないと分かるものでもないと思うのでこういった作品で知ることができて良かったと思います。
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