乾と巽ーザバイカル戦記ー 4巻 【度重なる戦闘に疲弊する乾小隊、巽はウラジオストックの暗黒街の取材を試みるが･･･】

日本軍からの命令で革命派の掃討のために反革命派に協力する乾。革命派とのゲリラ戦では部下を失い、小隊は疲弊していく。乾は部下の原隊復帰を願い出るが･･･一方、巽は大杉栄の来訪でウラジオストックの暗黒街へ潜入取材へ行くことに。そこで「黒衣のベラ」と称される有力者・アンナという女性に出会い･･･

革命軍の奇襲に応戦する乾たちは日本軍の介入もあって何とか撃退することができましたが乾の部下にも死者が出て、他の部下も乾同様に任務への疑問が生じてきます。待機中に酒を飲んで奇襲を許した反革命軍の体たらくを見た後に規律正しい正規の日本軍を見て里心がついてしまうのは無理ないかもしれませんね。

乾たちがシベリアで戦っている最中に日本では原敬総理が田中義一陸軍大臣にシベリア撤兵を持ちかけています。一方、黒木大尉はセミョーノフをけしかけてロシアを分断させる計略を立て、一介の兵士である乾はそれにまた巻き込まれていきます。

巽の方は人捜しをしている大杉栄に協力する形でウラジオストックの暗黒街を取材することに。そこで街の有力者・アンナと出会いますが彼女がなんと「天の血脈」に登場したハナさん！表紙に登場する姿は尋常ではない様子が描かれていますが･･･。暴漢に襲われた巽たちを助けた時にアヘン利権を目当てにカルムイコフが日本軍を利用して襲撃してくるのでした。そういえばハナさんの行方はその後描かれていなかったと思いますが何とも悲しい結末を迎えてしまいました。

今回は他にも「虹色のトロツキー」の主人公・ウムボルトの父である深見と後にウムボルトの後ろ盾となり、深見と同じ任についていた安江など安彦先生が描く近代史作品の登場人物たちも多く登場します。時系列でいうと「王道の狗」、「天の血脈」、「乾と巽」、「虹色のトロツキー」となるので改めてその順で読み直してみようかな。

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乾と巽―ザバイカル戦記―(4) (アフタヌーンKC) (日本語) コミック – 2020/10/23

乾と巽―ザバイカル戦記―(3) (アフタヌーンKC) (日本語) コミック – 2020/4/23

乾と巽―ザバイカル戦記―(2) (アフタヌーンKC) (日本語) コミック – 2019/10/23