九龍ジェネリックロマンス 7巻 【工藤さんが傍にいるなら、私はそれだけでいい】

思わぬ場所で蛇沼と再会する鯨井令子。自分はジルコニアンなのか･･･「絶対の私」になろうとするものの頭にちらつく疑問を蛇沼にぶつける。蛇沼は鯨井に対してジルコニアンでもクローンでもない、後発的＝ジェネリックな存在だと答えて･･･とある出来事をきっかけに自分の存在に自信が持てなくなる鯨井は工藤に思いの丈を打ち明ける！

九龍の謎はまだ分からないことが多いですが少しずつこれまで起きていた現象の謎も解けてきました。鯨井Bは工藤が殺したと自分で言っていましたが薬の過剰摂取での自死だったことがわかります。実際はどうも違うようなのでそこはまた鯨井との関係とともに謎が残りますが･･･工藤は彼女を死なせてしまったことに責任を感じて自分が殺したと言っているんでしょうか。

鯨井や九龍、そこに住む人たちは人によってはその姿が見えません。楊明やグエンなどは見えるのでその現象が信じられませんがグエンのようにオリジナルと第二の存在がいる人はオリジナルが九龍に入ると消えてしまうということも明らかになります。鯨井Bはすでに死んでいるので鯨井が消えることはありませんがもし鯨井Bが生きていたら消えてしまう存在だと知ると途端に自分の足下が揺らぐような気持ちになるのでした。

小黒も第二の存在だと匂わせていましたがオリジナルが思わぬ形で現れましたね（笑）実は男だったということ？父親への復讐に邁進する蛇沼に思わぬ伏兵となりそうです。それともユウロンは泳がしているんですかね。

かつての婚約者と同じ姿をしている鯨井と偽りの日常を過ごす工藤は自分の存在が分からなくなって取り乱す鯨井に対してずっと傍にいると抱きしめます。工藤に認められることで本当に「絶対の私」になれると思っている鯨井ですが工藤が見つめる先は誰なのか･･･2人の恋模様が進展しつつもまだまだ先の展開が見えなくて安心できませんね。

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