魔女に与える鉄鎚 1巻

 

 

神聖国家スパニアにある聖都セゴール、ここではキシリア教による魔女狩りが横行しています。魔女として捕えられた者の公開処刑は貧困と娯楽に飢えた民衆にとっては格好のショーと化しており、それを支持することが教会への支持と信仰となっています。聖職者たちが経典としている「魔女に与える鉄鎚」…それが魔女狩りの発端となっていますが実はそれは悪魔が仕組んだ魔女を生み出すための手段だったのでした。魔女として転生しつつも復讐の怨嗟に囚われていない異端審問魔女のドミノはロマネ法王の命の下、魔女となってしまった者たちの苦しみを解放していきます。いかなる愚行も正当化し、容易く人間を堕落させる悪魔の作った概念、宗教をぶっ壊すというドミノに待ち受ける運命は…

 

REXコミックで連載している「戦場の魔法使い」を描いている方ですがこちらは中世時代がモチーフとなっています。魔女達は生前拷問された器具を使役できるようになりますが登場する拷問道具は使用例も添えながら解説されているので資料を調べていると気持ちが暗くなるという作者コメントもわかる気がします…架空の世界なので歴史的事実は異なりますが拷問など異ならない部分も多々あります。

 

ドミノの他にも同じ異端審問魔女やそれに属しておらずキシリア教を恨む魔女達も登場します。ドミノ達を従えるのはロマネ初の女法王セレナでいち早く魔女の存在に気づきドミノ達のような魔女に監視の任を与えて魔女狩りを取り締まるなど辣腕を奮います。セレナが本当に味方かどうかというのは少し疑わしい感じですが…

 

ドミノをロマネから追放するという名目で同僚のアイダとパズをつけセレナもこっそりと魔女が統べる集落、魔女の谷へと向かいます。襲撃によってセレナはさらわれ「魔女に与える鉄鎚」を描いたという魔王が現れたところで次へと続きます。

 

敵として登場したナジャ、フィオナやドミノ達の後を誰かの命でつけていた謎の魔女がいましたが今後はどうなっていくんでしょうね。ナジャなんかは何となく憎めない感じがするんですけど（笑）